片付けられない女

母は昔から片付けられない女でした。

掃除も大嫌いでした。

専業主婦だったのに、家の中は、なんだか、いつも、グチャッとしていました。

買うのは得意ですが、捨てるのは。。。

使って元に戻す、ができません。

使ったら洗う、もできません。

階段は半分倉庫になっていました。

忘れもしないのは、石油ショックのときの、我が家の押入れです。

押入れの中はトイレットペーパーがぎっしりと入っていました。笑

私が小学生の頃は、家に帰ると、母は必ずテレビをみていました。

専業主婦って、テレビ見て、自分の好きなメニューの食事作って、子どもに好きなこと言える、そんなイメージです。(今は違いますよ)

絶対、なりたくない!って思っていました。

片付けられない、捨てる行為ができない女は、認知症になっていても、なかなかバレません。

すっかり騙されていました。

家はどんどん、汚くなっていきました。

こんにゃくと、片栗粉、漂白剤を何個も何個も買っていました。

それでも、昔から、トイレットペーパーを買いだめするような人だったので、気づきませんでした。

『最近の漂白剤は全く効かない』をキレていましたが、そりゃー何年も前の漂白剤なんて、効くかいな。

私は結構平気な方ですが、賞味期限どころか、消費期限をどれくらい過ぎていたのか。。。

母と住んでいた家を片付けていますが、ゴミとゴミではなかったもの(今ではゴミになってしまった)が倉庫に放り込んでありました。

見えなくなったら、それでお終いだったのでしょう。

正直なところ、認知症になってくれて、ある意味感謝です。

小さな頃から、精神的な虐待(価値の押しつけ、ヒステリー、人を思い通りにしようとする)を受けてきたので、これで、ようやく解放されました。

今でも、突然、意見をのたまうので、うるさいこともあります。

こちらをイライラさせる天才です。

最初は、いちいち反応して、はらを立てていました。

でも、少し覚えているところもあるようですが、基本的にはすっかり忘れています。

こちらが、反論や反対をしたり、論議したり、口論したら、イライラさせられる時間が長くなるだけで、何の意味もありません。

『明日は、どっこも行かない。もう、わたしは行くのを辞める』と、デイに行かないと言い出します。

それでも、「なんでやさ。行け」と言ったところで、『行かない』を繰り返すだけの母です。

第二段階では「そーかー」と相づちを打っていましたが、今はそれもしません。

変に覚えているときもあるので、返事しません。

そのかわり、『私、明日どっか行くの?』とか『私、毎日どこ行ってるの?』と聞いてきたときに答えます。

「認知症になったらアカンから、外で人に会おう」

幸いなことに、毎日朝になると、『何時に来はるんやったっけ?』と朝は行くことを受け入れています。

行かない日でも、聞きます。笑

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