フジコ・ヘミングさん

数々の困難を乗り越えてきて、最後に最大の困難がやってきて、諦めたように感じました。

若いころの困難だって、乗り越えたというより、ピアノをやり続けて気づけば、周りが変化してた。

みたいな。

最後、ピアノの前に連れて来られたとき、弾けない自分がつらかったんだと感じました。

ピアノ、これだけは、私のもの。

それがダメになっちゃった、そんな風に見えました。

母も一昨年の11月26日に居間でこけて、入院、背骨の圧迫骨折、認知症が劇的に進みました。

フジコさんは、認知症になっていないけれど。

フジコさんは美しく化粧をしてテレビ取材を受けて、老眼鏡さえも、すぐはずす。

美に対する意識が高く、最後まで自意識を持ってらっしゃった。

それだけに、辛かったと思います。

そういう意味では認知症は、「神様がくれた贈り物」だと言う人がいます。

全くそうは思いませんが、「できない辛さ」もすぐ忘れるのは事実です。

母は認知症だけど「その服はおばさんっぽいからイヤだ」とか言います。

そのくせお風呂に入らないし、ヒゲもそらないんです。

女性もヒゲはえますよ。

もうすでに三ヶ月お風呂に入ってないんです。

認知症あるある、らしいです。

身体全体はそんなに臭くないんです。不思議です。

でも、下の方や、頭や、特に足!足!足!吐きそうです。

デイで洗わないと、必然的に家でやる必要があって、もうそこは本当に苦しいです。

甘やかしてたら、毎回デイで「家で入るから、結構です」とか言ってるらしいです。

この数日は臭さが限界値を超えているので、「臭い」を連発したら、今日はようやく足だけ洗ってもらったそうです。スタッフの皆さん本当にありがとう。申し訳ないです。

毎日のように入ってたら、臭さで迷惑かけないのに。

ただ、スタッフさんはきっと優しく洗ったのでしょう。まだ、臭いよ。

もっとガシガシ、ゴシゴシやればいいのに。

フジコさんを見てて、すっかり母の話になってしまいました。

9歳ちがいですけど、見た目は同じくらいです。認知症になると歳をとります。

風呂入らない問題はまだまだ続きます。

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